1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771349
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
片岡 健一 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (20204414)
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Keywords | 音声基本周波数 / dF / dP / 声帯振動部長 / 声帯振動部体積 |
Research Abstract |
はじめに 発声時の音声基本周波数は声門下圧によって影響を受ける。田中らはFo(音声基本周波数)とdF/dP(声門上下圧差の変化によるFoの変化率)の関係を横軸にFoを縦軸にdF/dPをとるとV字パターンを示すことを発表している。本実験の目的はFoや声門下圧など空力学的パラメータにて示されていたこの変化を同時に声帯粘膜の運動を記録することによって画像的に検討することである。 対象 実験用成いぬビィーグル犬(体重9〜10kg)より摘出した喉頭標本3個。 方法 1)喉頭標本を垂直部分切除後アクリル板に固定し,吹鳴させ,声帯の振動を軸位断・矢状断の2方向よりストロボ撮影し記録する。2)同時に音声,声門下圧,吹鳴時流量を記録する。3)声帯を伸展させFoを変化させる。音声,声門下圧よりFoとdF/dPの関係を求め,記録された画像より求められた声帯振動部長,振動部幅,振動部体積とあわせて検討した。 結果 1) 動物モデルを用いてFoとdF/dPの間の関係(V字型パターン)が再現できた。 2) V字型パターンとなるのは,Foが声帯振動部長によって主に調整されているときdF/dPは減少し,Foが振動部体積によって主に調整されているときdF/dPは増加するというFoの調整様式の変化のためと判明した。 以上の研究成果XXIVth Worid Congress of the international Assosiation of Logopedics and Phoniatrics(Amsterdam)及び第43回音声言語医学会(東京)において講演した。
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