1997 Fiscal Year Annual Research Report
スギ花粉アレルギーをモデルとした減感作治療の作用機序の解析
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09771363
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
五十川 修司 熊本大学, 医学部, 助手 (30274723)
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Keywords | 減感作治療 / T細胞エピトープ / Cryj1 / IL-4 |
Research Abstract |
12名のスギ花粉症患者の末梢血リンパ球より、スギ花粉主要抗原(Cryjl)特異的T細胞株を樹立した。このうち9名は減感作治療施行群、3名は非施行群である。Cryjlのアミノ酸配列に従って合成したオーバーラッピングペプチドと、Cryjl特異的T細胞株との反応性を検討することによって、Cryjlには少なくとも17ヶ所のT細胞エピトープが存在すること、さらに、このうち4ヶ所に対しては複数のT細胞株が反応性を示し主要なT細胞エピトープが存在する可能性があることが示された。 また、各T細胞株が産生するサイトカインを定量することによって、インターロイキン4(IL-4)優位の株、インターフェロンγ(IFN-γ)優位の株、IL-4,IFN-γを同等に産生する株が存在し、これらのパターンはT細胞が由来する患者の羅病期間、治療歴、抗原特異的抗体価とは関係を認めないことを明らかとした。 さらに、各T細胞株と全ての合成ペプチドとの反応性を増殖反応及び、サイトカインについて検討して、抗原ペプチド(T細胞エピトープ)によってサイトカインの産生パターンは規定されないこと、また、増殖反応が低値でありながら、IL-4あるいはIFN-γを産生するT細胞は認められないことを明らかとした。 次年度では、これらの反応パターンが減感作治療によっていかに変化するかという点について検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Ishikawa, et al.: "Human T cell response to antigen peptides of Japanese cedar pollen (Cry J 1)." Int.Arch.Allergy Immunol.113. 255-257 (1997)
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[Publications] T.Ishikawa, et al.: "Human T cell response to antigen peptides derived from major allergen of Japanese cedar pollen (Cry J 1)." Am.J.Rhinol.11. 448-450 (1997)