1998 Fiscal Year Annual Research Report
扁桃病巣感染症の病態における抗コラーゲン抗体の意義に関する研究
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09771366
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
浜本 誠 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90240936)
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Keywords | 掌蹠膿疱症 / 扁桃リンパ球 / 抗コラーゲン抗体 / 扁桃病巣感染症 / ELISPOT |
Research Abstract |
扁桃病巣感染症の代表的二次疾患である掌蹠膿疱症患者における,血清中抗コラーゲン抗体価の上昇をこれまでに示したが,抗コラーゲン抗体価の上昇の機序はいまだに不明である.そこで,手術的に摘出された扁桃リンパ球での免疫グロブリン産生細胞数,各タイプ別の抗コラーゲン抗体産生細胞をELISPOT assayにより検索し,以下の知見を得た. 1. 扁桃リンパ球の免疫グロブリン産生細胞数はIgG,IgM,IgAの順で多かったが,コントロール,反復性扁桃炎,掌蹠庖症の3群での有意差は認められなかった. 2. 抗コラーゲン抗体IgGサブクラス産生細胞数は,3群での有意差は認められなかったが,いずれの群でもタイプIIIとVIに対する抗体産生細胞の数が多い傾向を示した.IgMサブクラスでは,やはり疾患群間での有意差は認めなかったがタイプIIIとVIで抗体産生細胞数が多かった.抗体産生細胞数はIgGに比べ全体に多く,免疫グロブリン産生細胞数とは逆の傾向を示した.IgAサブクラスの産生細胞数はおおまかな傾向は変わらずタイプIIIとVIで抗体産生細胞数が多かった.扁桃リンパ球の抗コラーゲン抗体産生細胞数はIgM,IgG,IgAの順で多く,免疫グロブリン産生細胞数と比較すると,特異抗体産生がIgM分画に多いことがわかった. 3. 抗コラーゲン抗体産生細胞のタイプ別ではタイプIIIとVIの産生細胞数が多く,このタイプのコラーゲンが主に皮膚に分布しており,また,扁桃内の分布も上皮下や濾胞周囲に多く認められ,髄質にもび慢性に存在すると報告されている.掌蹠膿疱症の初期段階における有棘層内の初期水疱の発生には,このタイプIIIとVIのコラーゲンがなんらかの関わりをもつものと考えられた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 浜本誠 形浦昭克: "掌蹠膿疱症に対する扁摘の治療成績" 耳鼻咽喉科臨床. 92(2). 115-118 (1999)
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[Publications] 形浦昭克 浜本誠他: "今日の扁桃学" 金原出版, 300 (1999)