1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771379
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
関 眞規子 順天堂大学, 医学部, 助手 (30245774)
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Keywords | スギ花粉症 / T細胞 / αβγ細胞レセプター |
Research Abstract |
各臨床の分野においてT細胞レセプターの解析によりその発生機序の解明がなされている。当耳鼻科領域にてTCRの解析が行われている疾患は少ない。限定されたTCRに対する抗体投与やTCRの可変部位を含むペプタイドワクチン接種により特異的治療や予防の可能性も示唆され臨床にフィードバックする期待がもたれる。スギ花粉症患者においてもT細胞の役割を解析する目的でTCR遺伝子usageの解析を行う。 トリチウムサイミジンを用いfresh及び培養2か月後のPBTにおける抗原特異性を検討した。健常者,患者群共に,OKT3添加によって増殖能を示すのに対して,アレルゲンである,スギ花粉抗原添加では,患者群にてfreshに分離したPBT,2か月培養したPBT共に著明な増殖能を示した。一方,健常者では,著明な増殖能は示さなかった。同様に,HD抗原添加においては,患者群,健常者共に,明らかな増殖能は示さなかった。以上より患者群の培養PBTは,スギ花粉抗原特累的であることが確認された。 スギ花粉抗原刺激後2か月後のスギ花粉症患者3名においては,SSCPにて共通してVβ2とVβ9にオリゴクローナリティーを示すバンドが認められた。 また、鼻アレルギーに関与するサイトカインについて検討した結果、患者群には、IL-4のメッセージが確認された。 スギ花粉症患者の末梢血T細胞を用いて,スギ花粉抗原にたいするT細胞クローナリティーを検討した。その結果スギ花粉抗原に反応するT細胞は,Vβ遺伝子に関してはVβ2またはVβ9を用いている可能性が示唆された。さらに,今回の結果では,DQw3(-),DQw3(+)患者間におけるスギ花粉抗原にたいするT細胞クローナリティーに有意な差は認められなかった。
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