1997 Fiscal Year Annual Research Report
毛様体上皮細胞Na, K-ATPaseの外部刺激への反応性の研究
Project/Area Number |
09771406
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
桑原 創一郎 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80282052)
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Keywords | 毛様体上皮細胞 / カルシウム動態 / gap junction阻害薬 |
Research Abstract |
ラット眼球より毛様体を切離・包埋し、マイクロスライサ-にて200μmの厚さで、毛様体色素上皮層(PE)・無色素上皮層(NPE)を横断する切片を多数作製した。細胞内遊離Caの変化を観察するために、蛍光色素であるFluo3を切片に包埋された細胞に人工房水液中で負荷した。 その後、組織片を還流装置をつけたプレートに固定し、走査型電子顕微鏡下で各種薬剤の細胞への影響を人工房水液中で観察した。 対象となる組織片によって投与薬剤に対する反応は必ずしも一様ではなかった。アセテルコリンの投薬により約60%ではPE・NPEともに細胞内のCaレベルは上昇した。約25%ではNPEのみに反応があり、約15%ではPE・NPEともに反応がみられなかった。エピネフリンの投薬により約50%のPE・NPEともに細胞内Caレベルは上昇した。約30%ではPEのみに反応があり、約20%でPE・NPEともに反応がみられなかった。ヒスタミンの投薬により約50%のNPEで細胞内のCaレベルは上昇し、約20%ではPE・NPEともに反応がみられなかった。 gap junction阻害薬(2.5mM heptanol)により前処理を加えたのちに、アセチルコリンを投薬しCa反応の主たる部位の特定を試みた。反応の部位を特定する。約30%ではPE・NPEともに細胞内のCaレベルは上昇し、約30%ではNPEのみに反応があり、約30%ではPE・NPEともに反応がみられなかった。先のアセチルコリン単体投与のCa反応と比較すると、NPEにて主に反応を起こしている可能性があるが、明らかとは思われなかった。
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