1997 Fiscal Year Annual Research Report
メラニン関連抗原誘発自己免疫性ぶどう膜炎におけるサイトカインと接着分子の動態
Project/Area Number |
09771437
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
金川 知子 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (50263835)
|
Keywords | ぶどう膜炎 / メラニン / 自己免疫 / サイトカイン / 接着分子 |
Research Abstract |
ヒトの急性前部ぶどう膜炎の実験モデルとして報告された『メラニン関連抗原誘発ぶどう膜炎』の再現実験を行い、以下の方法でぶどう膜炎を誘導することができた。 まず新鮮なウシ眼球から脈絡膜を分離、ホモジナイズしたものを濾過し、濾液を遠心分離。沈査を2%Sodium dodecyl sulfateに70℃、10分間反応させ、SDS不溶性成分であるメラニン関連抗原を分離した。ぶどう膜炎の誘発は、実験動物として7〜10週齢のメスのルイスラットを使用し、ラット1匹につきメラニン関連抗原を5〜200μg投与した。抗原投与量のうち半量はフロイント完全アジュバントとともに足蹠皮下投与、半量は百日咳毒素とともに腹腔内投与を同時に行った。投与後、経時的にラットの前眼部、眼底を観察し、ぶどう膜炎の発症状況を観察した。 抗原を200μg投与した群では、免疫後10日前後でフィブリンの析出、虹彩後癒着を伴う強度の前部ぶどう膜炎を発症した。5μg投与群には炎症は発症せず、100μg投与群では炎症の発症の有無および強度に個体差が見られた。 今後はアジュバントの種類、抗原の投与量、投与法についてさらに検討し、一定の強度のぶどう膜炎を発症させることのできるモデルを作成したうえで、サイトカインおよび接着分子の動態を検討していく予定である。
|