1997 Fiscal Year Annual Research Report
ラット顎下腺主導管の機能解析:細胞内エンドサイトーシスと細胞内輸送を指標として
Project/Area Number |
09771523
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
松岡 孝典 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (10190422)
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Keywords | 顎下腺 / 主導管 / フェリチン / 酸性フォスファターゼ / エンドサイトーシス / ラット |
Research Abstract |
本研究では,顎下腺主導管を構成している各々の細胞に取り込まれた物質が細肪外に放出されるか否か,また細胞内にとどまるとすればどのような形でとどまるのかをカチオン化フェリチンおよび金コロイドを指標にして経時的に電頭観察にて明らかにすることを目的として実験を行った.以下の結果を本年度は得た. 1.カチオン化フェリチンの取り込み実験により細胞内に取り込まれたフェリチンは,取り込み小胞を経由し,多胞小体,ライソゾームへの移行像が観察された. 2.取り込まれたフェリチンを含む小胞,多胞小体,およびライソゾームの酸性フォスファターゼ活性は,多胞小体およびライソゾームにみられた. 3.基底細胞を除く顎下腺主導管を構成している全ての細胞に取り込まれたカチオン化フェリチンが認められた. 4.金コロイドの取り込み実験は,金コロイドの荷電の状態が安定せず,安定したデータが得られていない.この件に関しては現在検討中である. 5.取り込まれたフェリチンを含む小胞,多胞小体,およびライソゾームの経時的な動態については初期の設定の最短時間である2時間で細胞外に放出されているものが認められたため,さらに短い時間で実験を行う計画を検討中である.
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