1997 Fiscal Year Annual Research Report
口腔悪性腫瘍と前癌病変におけうAPC遺伝子異常の分子生物学的検索
Project/Area Number |
09771564
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
永嶋 昌之 千葉大学, 医学部, 助手 (60282472)
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Keywords | 口腔癌 / 前癌病変 / APC遺伝子 / マイクロサテライト領域 / PCR-SSCP assay / PCR-D irect sequencing / PCR-LOH assay |
Research Abstract |
多数の口腔癌組織,前癌病変さらに転移巣組織を用いて、APC遺伝子とその近傍周囲のlocusの異常状況を検討した。 1)口腔前癌病変におけるAPC遺伝子異常 代表的前癌病変である白板症54例中10例(18.5%)にAPC遺伝子の第15番exonのMCR領域周囲のpoint mutationか、あるいは、第11番exonにおけるloss of heterozygosityを認めた。point mutationが6例(11.1%)、loss of heterozygosityが7例(13.0%)であったが、これらのうち、3例でpoint mutationとloss of heterozygosityの両者の異常が認められた。 2)口腔癌におけるAPC遺伝子異常 口腔癌33例中24例にAPC遺伝子異常が認められた(72.7%) 3)第5番染色体上のAPC遺伝子近傍のマイクロサテライト領域の異常状況 APC遺伝子が存在する第5番染色体上のマイクロサテライト領域の異常状況を調べ、APC遺伝子異常が他の異常と独立した現象なのか、周辺領域の異常に連動した現象であるのかを検討した。APC遺伝子に連続した構造異常は認められなかったが、近傍に2箇所の共通欠失領域を検出し、未知の癌抑制遺伝子の存在が示唆された。
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