1998 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の進展範囲評価におけるMRI(磁気共鳴画像)の有用性の検討
Project/Area Number |
09771568
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 道法 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (50243481)
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Keywords | 口腔癌 / MRI |
Research Abstract |
(目的)口腔癌においては、手術療法と放射線療法が主たる治療となる。手術療法においては、切除範囲の決定に正確な腫瘍の進展範囲が必要である。また放射線療法においても、照射野を決定するうえで、正確な腫瘍の進展範囲が必要である。今日、視診、触診、超音波検査、CTが治療前の腫瘍の進展範囲の決定にもちいられているが、現時点で満足すべき診断方法はない。近年、あらたな画像診断としてMRlが登場し注目をあつめている。今回、口腔癌の進展範囲決定におけるMRIの役割を明らかにする目的にてこの研究を行った。 (対象と方法)1997年から1999年まで26症例の口腔癌にMRlを施行した。舌癌7例、口腔底癌5例、頬粘膜癌5例、上顎歯肉癌3例、下顎歯肉癌6例である。MRIの撮像法はT1強調画像、T2強調画像、通常の造影MRI、脂肪抑制をおこなったダイナミックMRIを施行した。 (結果)造影剤を用いない撮像法では腫瘍と正常組織とのコントラストが十分つかず、正確な腫瘍の進展範囲決定には不十分であった。造影剤を用いない撮像法のなかではT2強調画像のほうがT1強調画像より明確に腫瘍の進展範囲を決定できた。通常の造影MRIは、腫瘍が正常組織と同程度に造影され造影剤を用いない撮像法のT1強調画像よりさらに腫瘍の進展範囲決定には不十分であった。もつとも、腫瘍と正常組織とのコントラストが明瞭で腫瘍の進展範囲が明確に決定できたのは、脂肪抑制をおこなったダイナミックMRIであった。腫瘍は造影早期から正常組織より有意に造影された。 (結論)口腔癌の進展範囲決定には脂肪抑制をおこなったダイナミックMRIが最も有用である可能性が示唆された。
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