1997 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロキャリアー培養法による歯根膜細胞の大量培養とその応用
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09771601
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮 豊 東北大学, 歯学部, 助手 (10261520)
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Keywords | マイクロキャリアー / 歯根膜細胞 / 培養 |
Research Abstract |
マイクロキャリアー培養法による歯根膜細胞の培養技術を確立させるため、まず、マイクロキャリアーの選択をおこなった。歯根膜を構成する細胞は、ほとんどが線維芽細胞であり、また歯根膜から得られる細胞が非常に少ないため、マイクロキャリアー表面に架橋デキスロトランが共有結合した変性コラーゲンを有するCytodex 3を選択した。 現在、矯正学的に便宜抜去あるいは保存不能により抜去されたヒト新鮮抜去歯の歯根中央部よりメスで歯根膜片を剥離して、10%牛胎仔血清を含むαMEMを用いて静置培養し、歯根膜片よりoutgrowthした細胞を初代培養の歯根膜細胞として得ることが可能になった。また、市販されている線維芽細胞を用いて、実際にマイクロキャリアー培養法による培養をおこない、培養液の組成、攪拌子の攪拌速度、マイクロキャリアーの濃度などを変えながら、最適な培養条件を模索中である。 今後は、初代培養した歯根膜細胞をトリプシン-EDTA処理して実際にマイクロキャリアー培養によって継代培養する方法を確立し、さらに培養条件により歯根膜細胞の増殖能がどのように変化するか検討して、歯根膜細胞にとって最適な培養条件を明らかにしていく予定である。また、培養歯根膜細胞の有する恒常性維持機能を解析するため、末梢血からリンパ球・単球を分離し、培養歯根膜細胞とこれらを混培養して、その培養上清を抽出して末梢血リンパ球・単球からの破骨細胞誘導抑制を示す組み合わせを検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 宮 豊, 他: "酸化電位水浸漬による歯科用器材の腐食ーバー、リ-マ-、ポイント類について" 日本歯科保存学雑誌. 40春季特別. 120 (1997)
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[Publications] 宮 豊, 他: "酸化電位水浸漬による歯科用器材の腐食-ピンセット、ミラー、探針類について" 日本歯科保存学雑誌. 40春季特別. 121 (1997)