1997 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織再生過程における細胞分化に関与する生理活性物質の検討
Project/Area Number |
09771608
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北村 正博 大阪大学, 歯学部, 講師 (10243247)
|
Keywords | GTR法 / 新生肉芽組織 / 歯肉 / 歯周炎 / Gore-Tex膜 / 生理活性物質 / mRNA発現 / Polymerase Chain Reaction |
Research Abstract |
大阪大学歯学部付属病院を受診し初期治療を終了した3人の被験者を対象として、Gore-Tex膜を用いた組織再生誘導法(GTR法)を実施した。術前にGTR法を実施する部位の規格X線写真の撮影と臨床的パラメーター(歯肉炎指数、プロービング深さ、アタッチメントレベル、プロービング時の出血の有無、排膿の有無、プラーク指数)の記録を行った。そして、Gore-Tex膜を用いたGTR法を実施し1次手術の4〜6週間後膜を除去する2次手術時に骨欠損部に新生された肉芽組織の過形成された部分を微量採取し、新生肉芽組織を歯肉弁で被覆した。この時同時にGTR実施部位の歯肉弁から歯肉を微量採取した。現在、採取した組織片は採取後直ちにGTC溶液に入れホモジナイズし総RNAの抽出を行った後、分析に必要な十分数の試料採取されるまで超低温フリーザ-にて保存している。また、GTR6ヵ月後に術前と同様のX線撮影と臨床的パラメーターの記録を行い、GTR後の臨床評価を経時的に行なっている。また、微量組織中の各種生理活性物質のmRNA発現量を測定する方法を確立した。すなわち、採取した組織より抽出されたRNAから、reverse transcriptaseとrandam primerを用いてcDNAを合成し、IL-1、IL-6、IL-8などの生理活性物質の特異的プライマーを用いてPolymerase Chain Reaction(PCR)を行い、得られたPCR産物を2%アガロースゲルに電気泳動し、各種生理活性物質特異的な非放射性オリゴヌクレオチドプローブにてハイブリダイゼーションし、ケミルミネッセンスにてX線フィルムを感光させ画像解析して生理活性物質のmRNA発現量を測定する方法を開発した。すでに、予備実験として微量歯肉中の各種生理活性物質のmRNA発現量の測定に成功している。
|