1997 Fiscal Year Annual Research Report
高齲蝕者と無齲蝕者のmutnas streptococciの耐酸性と付着能
Project/Area Number |
09771649
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岡田 珠美 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (40277463)
|
Keywords | 耐酸性 / mutans streptococci / 人工プラーク形成能 |
Research Abstract |
既に本学学生より高齲蝕者および無齲蝕者をそれぞれ各8名ずつ選出し、各々の唾液及び口腔液より一口腔から10株以上のmutans streptococci新鮮分離株を分離し、さらに糖発酵能試験および家兎坑血清試験を用いて同定を終えている。この合計160菌株以上につき下記の手順で乳酸緩衝液に対する耐酸性について比較した。 乳酸緩衝液に対する耐酸性性 1)1mM、1ccのpH2〜4の乳酸緩衝液を調製する。 2)新鮮分離株をそれぞれ2白金耳づつBHIagerに食菌し、これを前培養液として用いた。 3)この前培養液を各20μlづつ殖菌し、37℃、嫌気下で10〜90分間培養する。 4)培養後培養液をバイブレーション処理する。 5)この、乳酸緩衝液を5〜7倍に希釈し、選択培地であるMSB平板培地上に塗沫する。 6)37℃、嫌気下で48時間培養後、平板培地上の菌生存率を算定することにより、高齲蝕者と無齲蝕者の口腔に棲息するmutans streptococciの耐酸性の差異について追求する。 この実験の結果においては、菌生存率に各々の個人差がかなり見られたが集団としては、高齲蝕者の集団の菌生存率は無齲蝕者の集団のそれより優位に高かった。このことは、高齲蝕者の口腔に生息するmutans streptococciは無齲蝕者のそれよりも酸性環境下における増殖能が優れている可能性を示唆しているものと思われたため次の計画である人工プラーク形成能について、その集団的差が見られるかについて比較検討したが、現時点では優位な差は見られておらず、検討中である。
|