1997 Fiscal Year Annual Research Report
下顎骨の骨吸収および性状の変化が咬合力に及ぼす影響について
Project/Area Number |
09771673
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
内田 達郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (50251541)
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Keywords | 骨吸収 / 咬合力 / 咀嚼能力 |
Research Abstract |
全部床義歯の製作を希望する30名の上下後無歯顎者を対象にして計測を行っている。まず各被験者の補綴治療中に来院時使用していた義歯での最大咬合力を測定し、さらに治療終了後に新義歯での最大咬合力を測定した。また上下顎堤の形態を数値化する手段として義歯床内面の三次元的形態を測定した。義歯を製作するための作業模型をGRASP-E300用いて計測している。このデータから義歯床内面の表面積、咬合採得で得た仮想咬合平面に投影した面積、義歯床内の体積を計算した。この結から義歯床内面の表面積及び義歯床内の体積は最大咬合力と関連があることが推察された。最大咬合力は摂取可能食品から評価した咀嚼能力と関連があることが分かっている。またその後の研究で咀嚼値、咀嚼能力を評価するために新しく考案したガムによる咀嚼能力の評価及び摂取可能食品からの評価は互いに高い相関があることが分かってきた。咀嚼値は主に被粉砕性の食品の咀嚼能力を表し、ガムは圧延性の食品の咀嚼能力を表していると考えられる。臨床的に顎堤の状態の良好な患者は摂取可能食品から評価した咀嚼能力が高いことが分かっている。今回の結果からも顎堤が咬合力をうけとめる面積が大きく、義歯が側方に動くのを防ぐため顎堤が高く表面積が大きいことが咬合力の発現に有利であり、いろいろな物性をもつ食品の咀嚼能力も高いことが推察される。今後は顎堤の形態だけではなく、pQCT用いて骨密度を測定し骨密度の減少と最大咬合力及び咀嚼能力の関連を検討する予定である。
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