1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771685
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 誠 大阪大学, 歯学部, 助手 (60283793)
|
Keywords | 画像解析 / 咀嚼機能評価 / 咀嚼能率 / 全部床義歯 / 顎義歯 / 被験食品 |
Research Abstract |
物性ならびに形態が任意に規定,管理可能な被験食品として試験用グミゼリーを用いて,当教室において咀嚼能率診査法を開発し,既に臨床応用を行ってきた結果,全部床義歯装着者においても筋力の低下した患者や著しく顎堤の吸収した患者,あるいは腫瘍切除後の顎義歯装着患者などの顎機能の低下している患者では,従来用いてきた試験用グミゼリーの硬さあるいは大きさを再考する必要が示唆された.また,被験食品の元の形態においてその一部分での細分化が進んでいるものの,十分に細分化されていない大きな咀嚼片が残存していることが見られる.本研究では,咀嚼された食品の咀嚼片の粒子の分布状況を直接画像入力し,定量化を図ることを目的として,咀嚼片をビデオカメラにて画像データとして入力し,画像処理装置(ドットアナライザーDA5000SB)を用いて,二値化処理を施した上で,パーソナルコンピュータ上にてその咀嚼片の粒子径,周囲長,断面積などの計測を行った.まず基礎的検討として,既知の粒子径を有する各種寸法の試料を検体として用い,入力時の光源の撮影面での照度,撮影対象内における検体の位置と画面の歪みの状況について検討を行い,正確な画像の再現性を得るための対象検体の画像入力条件ならびに得られた画像データに対する画像処理条件の確立を行った.さらに,実際の咀嚼片に対して検討を加えた結果,当教室で開発した咀嚼能率診査法での指標である咀嚼片の全表面積では,ほぼ同程度の咀嚼能力を示すものの,その咀嚼片の粒子の分布状況には違いのあることが定量的に示されたことから,特に顎機能の低下した症例の咀嚼機能評価をする上では,細分化された咀嚼片の全表面積に加えてその粒度分布を考慮する必要が示唆された.
|