1997 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平苔癬におけるケラチンおよび接着分子の発現状態とアポトーシスの関与
Project/Area Number |
09771781
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
内藤 浩美 自治医科大学, 医学部, 助手 (40271225)
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Keywords | 接着分子 / サイトケラチン / 免疫組織化学 / 口腔扁平苔癬 |
Research Abstract |
口腔扁平苔癬における病変部上皮内における接着分子の発現状態について,インテグリン,カドヘリン,ICAM-1,VCAM-1について免疫組織学的に検討した。 その結果,インテグリンα2,β1は基底層を中心に棘細胞層まで陽性,α5,β3,LFA-1は陰性で正常粘膜とほぼ同様であった。α3はビラン型では基底層を中心に棘細胞層下部まで,網状型は基底層から傍基底層まで陽性,α6は基底層基底膜側に強陽性,基底層側面および上面にも陽性像を認め,いずれも正常粘膜より広範囲であった。 E-カドヘリンは棘細胞層のみに陽性で,正常粘膜と異なり基底層は陰性であった。デスモグレインは基底膜層を除いた基底層-棘細胞に陽性像を示し,正常粘膜と同様であった。ICAM-1の発現はほとんどないかわずかであった。VCAM-1は陰性であった。 以上の結果から,インテグリンα3とα6は正常粘膜より増強しており,口腔扁平苔癬の病体を考える上で重要な接着分子である可能性が示唆された。また,ICAM-1の発現はわずかであり,ICAM-1の発現がLFA-1陽性リンパ球の上皮への移動を誘導している可能性は低いと考えられた。 その他口腔粘膜病変に関する症例報告を行った。
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Research Products
(1 results)