1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09771799
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
添野 圭子 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (10247059)
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Keywords | 刺激唾液 / pH / 量 / S-IgA |
Research Abstract |
健常者および口腔扁平苔癬・白板症・口内炎などの粘膜疾患患者の唾液を採取し、その量・粘度(TOKIMECE型粘度計にて測定)・pH(HORIB compact pH meterにて測定)・分泌型IgA(MBL EIA s-IgAテストキットにて測定)の測定、検討を行った。 唾液は刺激唾液を用いることとし、パラフィンワックスを5分間咀嚼してもらい採取した。健常者の若年層(20〜30代)は主に医局員、研究生で、中年層(40-60代)は、本院歯周病科にて加療中の患者である。ただし患者は、歯周治療を中心とした一口腔単位の加療をうけ、経過良好でメインテナンスを目的とし通院している者に限定した。 量:流出量は中年層が少なく、若年層に多い傾向がみられた。(粘膜疾患患者は、ほぼ全員中年層に含まれる。)若年層は、5.7〜13.8mlと個人差が大きく、中年層は3.0〜42mlと比較的一定していた。量に関しては、咀嚼速度がかなり影響を及ぼしていると思われる。 pH:若年層は中性〜アルカリ性、中年層は酸性傾向がみられた。これは、中年層が歯周病患者であることや、粘膜疾患患者がほぼ全員歯周病を併発している結果と考える。 分泌型IgA濃度:健常者中年層、健常者若年層、粘膜疾患患者の順で高値を示した。現段階で結論は出せないが、分泌型IgA濃度が低いため粘膜疾患に罹患することが、示唆される。 粘度:測定までの時間、環境設定などの実験条件が一定できず、測定値に傾向を見い出せなかった。現時点で、性差、年齢差、各々のパラフィンワックスの咀嚼速度や、唾液採取時間の一定化が難しく、実験条件がまだ確定していない。また、分泌型IgA濃度の二重測定値にもばらつきがみられる。唾液の採取・測定ともに今後の課題が多く、平成11年度も引き続き本実験を行っていく予定である。
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