1997 Fiscal Year Annual Research Report
舌癌モデルに対するフマギリン誘導体TNP-470の抗腫瘍活性
Project/Area Number |
09771817
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
二宮 康郎 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (60289569)
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Keywords | TNP-470 / 腫瘍血管新生 / ウサギVX2舌癌 / 血管新生阻害 |
Research Abstract |
TNP-470の抗腫瘍効果(in vivo実験系) ウサギの左側舌緑郎に、VX2癌細胞(1.0×10^5 cell)を移植して舌癌モデルを作製した。これらの実験モデルに対し、TNP-470静注投与群と腫瘍局所投与群に分け、それぞれ定められた投与量をVX2癌移植後10日後と15日後に投与した。その結果、TNP-470腫瘍局所投与群では、薬剤投与量依存的に腫瘍増殖抑制効果が認められた。5mg/kgの投与量で明らかな腫瘍増殖抑制効果が得られ、10mg/kgと20mg/kgの投与量にて特に高い抗腫瘍効果が認められた。さらに、これらの投与量では所属リンパ節と肺への転移も有意に抑制された。一方、静注全身投与群では、明らかな抗腫瘍効果を得るには40mg/kgの投与量を要した。組織所見において、TNP-470腫瘍局所投与群では全体として壊死組織が多く観察され、癌実質は少なかった。また、TNP-470投与群の腫瘍組織内血管密度は非投与群に比して明らかに低く、同薬剤の血管新生阻害作用が示唆された。以上のことから血管新生阻害剤TNP-470を用いた治療は、口腔扁平上皮癌に対する新しい治療法としての可能性を有するものと考えられた。 また、種々の薬剤を用いて血管新生に対する阻害効果を比較検討したところ、lentinan(LNT)とrecombinant IL-2(rIL-2)併用投与にて顕著に血管新生が阻害されている所見が認められた。
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Research Products
(1 results)