1997 Fiscal Year Annual Research Report
コンビナトリアル化学と分子設計を補完的に用いるヒトANPモデル化合物の効率的探索
Project/Area Number |
09771935
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
末永 俊朗 理化学研究所, 有機合成化学研究室, 研究員 (50260196)
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Keywords | HumanANP / コンビナトリアル化学 / 環状ペプチド / ライブラリ |
Research Abstract |
HumanANPはアミノ酸28残基からなるペプチドであるが、構造活性相関の研究などから,活性発現に重要なアミノ酸はPhe,Met,Ileであり,それらは空間的に近傍に位置していることが明らかとなっているが,詳細な位置関係はいまだ不明である.ANPのモデル化を考えるとき,これら3種のアミノ酸をANPと同じ空間的位置に固定することが必須であると考え,アミノ酸8残基からなる環状ペプチドをデザインした.活性発現に最適なモデル化合物を合成するためには,上記3種のアミノ酸の位置関係を調節する必要があるが,コンビナトリアル化学の手法を用いて多種のPhe,Met,Ile誘導体の使用,環のサイズの変更などにより構造上の多様性を持ったライブラリを合成し活性試験を行うことにより活性のあるモデル化合物を探索する予定である.本年度は,まず環状ペプチド合成に必要なb-置換アミノ酸(Phe,Met,Ile)の合成法を確立することを目標として研究を行った.種々の合成ルートを検討の結果,種々の誘導体を合成するのに適した汎用ルートとして,アリルアルコールを不斉酸化して得られる光学活性エポキシアルコールの位置選択的アルキル化を鍵反応とするルートが優れていることがわかった.得られたジオールの一級水酸基を保護した後,HN_3による光延反応で二級水酸基をアジドに変換し,還元することによりアミノアルコールを合成することに成功した.今後,アミノ酸への酸化および側鎖の導入を検討していく予定である.
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