1997 Fiscal Year Annual Research Report
部位選択的薬物送達を目指した特異的輸送担体の基質認識特性の解明
Project/Area Number |
09772061
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
大西 俊正 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (20266886)
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Keywords | 透過性促進 / 血液脳関門 / アミノ酸輸送担体 / 小腸刷子縁膜 |
Research Abstract |
6位糖修飾体が本年度は得られなかったので、糖輸送担体にかわり、同様の大きな輸送活性を持つ、アミノ酸輸送担体の基質認識特性について本年度は検討を行った。これまで、アミノ酸輸送担体の基質認識性はアミノ酸のアミノ基とカルボキシル基の両官能基が、修飾されていないことが必要であると考えられており、この点について検討を加えた。なぜなら、これまでの血液脳関門における検討の結果、糖の1位にタイロシンのアミノ基を結合させた化合物は糖輸送担体に対する認識性は失うが、そのもの自身の透過性は大きいため、この修飾体はタイロシンのアミノ基を修飾したにもかかわらずアミノ酸輸送担体に認識されているのではないかと考えられたからである。In istu脳かん流法、小腸刷子縁膜法を用い、血液脳関門、小腸刷子縁膜上に存在する性質の異なるアミノ酸輸送担体の基質認識性について検討した結果、これまでの基質認識性に対する知見とは異なる結果が得られた。これは、ペプチド結合のようなアミド結合によりアミノ基を修飾すると認識性を消失してしまうが、アルキル化するような修飾方法を用いれば認識性が維持されるという結果である。すなわち、両アミノ酸輸送担体における基質認識性は、カルボキシル基を修飾されると消失するが、アミノ基は修飾方法の違いによりその認識性が異なることが明らかとなった。In istu脳かん流法、小腸刷子縁膜法において同様の結果が得られたことより、血液脳関門、小腸刷子縁膜上に存在するアミノ酸輸送担体は、その性質の異なるにもかかわらず基質認識性は同様であると考えられた。
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