1997 Fiscal Year Annual Research Report
学校現場における小児生活習慣病の予防に関する横断的追跡研究
Project/Area Number |
09780068
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
足立 稔 岡山大学, 教育学部, 助教授 (70271054)
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Keywords | 小児生活習慣病 / 食生活調査 / 体力測定 / 日常生活習慣 |
Research Abstract |
本研究は、学齢期の児童・生徒を対象に生活習慣病の主な誘因と考えられる日常生活習慣における食習慣、身体活動量や体力と、生活習慣病発症の危険因子についての基礎調査を行った。対象は、本人と保護者の同意を得た、小学生の高学年と中学生の子ども、732名である。調査項目は、小児成人病の危険因子(肥満度、血圧と動脈硬化の指標である加速度脈波等)と日常生活習慣(食生活調査、運動状況調査、体力調査等)であった。対象者の中で、肥満と判定(体脂肪率を基準)された子どもは男子8.2%、女子7.8%であった。血圧(SBP/DBP)が高く、高血圧または境界域高血圧と判定された子どもの割合は男子2.3%、女子1.8%であった。食生活調査については、朝食を全く食べない子が全体の5%、栄養素ではカルシウム摂取量が栄養所要量の約80%であった。また、運動習慣については、定期的な運動習慣を持つ子どもは約50%であり、そうでない子どもはで週当たりの運動時間が150分未満の者が全体の80%以上であった。これらの小児成人病危険因子と食生活調査の結果の間には、男女とも、単回帰・重回帰分析において統計的に有意な関係は見いだせなかった。一方、小児成人病危険因子と体力・運動状況調査の結果の間には、男女とも有意な関係がみられた。変数増減法による重回帰分析において、肥満と体力因子の間に有意な負の相関関係が認められ,説明要因として筋力、全身持久力の項目が抽出された。以上から、週当たりの運動時間が少なく筋力や全身持久力(有酸素作業能力)が低い生徒に肥満や血圧が高い者が多い傾向が観察された。
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