1998 Fiscal Year Annual Research Report
選択制授業の成果をあげている中・高校を対象とした教員組織の実態に関する事例研究
Project/Area Number |
09780080
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Research Institution | Sendai University |
Principal Investigator |
永田 秀隆 仙台大学, 体育学部, 講師 (40254809)
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Keywords | 選択制授業 / 教員組織 / 事例研究 |
Research Abstract |
前回改訂された学習指導要領において取り沙汰された選択制授業であるが、今回改訂の学習指導要領においてもその方向性には変わりはない。そのような中、選択制授業は多くの学校で導入・実施され、量的には定着段階にあるといえるだろう。しかしながら、その質的高まりに目を向けると、必ずしも充実したものとはなっていないようである。これまで選択制授業の主に教員組織に関する統計的調査を実施してきたが、質問紙調査では限界があると感じたことから、本研究では、特に選択制授業に熱心に取り組み、ある程度の成果が得られた、あるいは得られつつある学校における教員組織の特性(組織過程等の動的側面を中心に)を事例的調査により明らかにしようとした。資料収集、質問紙調査、面接調査等により、中学校および高等学校を対象として調査・分析を行ってきたが、考察を進めていく上で、成功(成果)の陰には、ある種共通した要因が存在しているのではないかと考えた。例えば、中学校では学内、学外問わず保健体育科教員の集まり(科会や研究会や研修会等)が地道に活動を続けてきており、それが基盤となって選択制授業を支えていること。また、教育委員会等の行政組織からの支援を受けたり、連携を図ることでより充実した授業実践を可能にしていること。さらに、生徒の声を励みに、できるところから可能な範囲で実践を重ね、絶えず研究の姿勢を持ち続けたこと。高等学校においてもほぼ同様の結果であるが、これらの要因が上手く機能したことにより、今日の成果があると思われる。ただ、今回は事例数が少なかったことから、この研究結果がすべての学校において該当するとは断定はできない。したがって、今後は事例の数を増やすことにより、本研究の裏づけを深め、また他の要因等の存在についても検討していく。
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