1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780588
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
松岡 邦枝 (財)東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (40291158)
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Keywords | アレルギー / アトピー性疾患 / IgE / トランスジェニックマウス / アレルゲン / 卵白アルブミン / ダニ抗原 / トリニトロフェニル(TNP) |
Research Abstract |
アトピー性反応は、マスト細胞に発現しているIgEレセプターに結合しているIgE分子を外来多価抗原(アレルゲン)が架橋することによって開始されるが、その発症機序を解明し、新しい治療法を開発するにあたって、モデル動物の樹立が必須と考えられる。アトピー性皮膚炎の主要アレルゲンとして重要な卵白アルブミン(OVA)・ダニ抗原(Derf II)及び、これまでのアレルギー研究においてしばしば抗原として用いられてきたトリニトロフェニル(TNP)に特異的なIgEを強制発現させたトランスジェニックマウスを作製することを目的とし、導入遺伝子を作製した。 すでに作製されているマウス抗OVA IgG産生ハイブリドーマ、抗Derf II IgG産生ハイブリドーマ及び抗TNP IgE産生ハイブリドーマよりRNAを調製し、マウス免疫グロブリン重鎖及び軽鎖の可変領域における相同性の高い部分に対応する混合プライマーを用いてRT-PCRを行い、発現している免疫グロブリン可変領域のcDNAをそれぞれ単離した。得られたcDNAは各ハイブリドーマにおいて重鎖・軽鎖ともにただ1種類であり、それらはいずれも機能的に再構成していた。これらをプローブとして、各ハイブリドーマのゲノムDNAライブラリーをスクリーニングし、再構成した重鎖及び軽鎖の可変領域を含む遺伝子断片を単離、クローニングした。一方、BAL B/cマウスのゲノムDNAライブラリーあるいは生殖細胞型免疫グロブリン遺伝子クローンより定常領域(Cε、Cκ)及び免疫グロブリンの発現に必要なエレメント(プロモーター、イントロンエンハンサー、3'エンハンサー)をそれぞれ単離した。これらを連結することによって、抗OVA IgE、抗Derf II IgE及び抗TNP IgE強制発現のための導入遺伝子(重鎖・軽鎖)をそれぞれ構築した。
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