1997 Fiscal Year Annual Research Report
ACカロリメトリーによる極微量な生体物質の高精度熱容量測定装置の開発
Project/Area Number |
09780598
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
八尾 晴彦 東京工業大学, 理学部, 助手 (60212271)
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Keywords | 蛋白質 / 熱変性 / 熱容量 / ACカロリメトリー |
Research Abstract |
これまでの予備的測定によって蓄積された経験に基づき、本格的なACカロリメトリーによる極微量な生体物質の高精度熱容量測定装置を設計し、製作した。熱浴の温度はサーミスタを温度センサとする交流ブリッジ回路で測定を行い、ブリッジの交流差電圧信号はロックイン増幅器を用いて検出することにした。そして、PID温度調節器と熱浴周囲の熱シールドに巻いたヒーターによって温度を制御した。その結果、熱浴の温度差を±0.1mKという非常に安定した制御ができることがわかった。熱浴は不凍液を満たしたステンレス鋼製の大型デュワ-瓶に入れ、不凍液を投げ込みクーラーで冷却することにより、-20℃の低温から150℃までの温度での測定が可能であることを確認した。今後この装置を用いて、試料温度を検出する温度センサとして予備的測定で用いたK熱電対ではなく、より感度の高い超小型のサーミスタを用いることで高精度化を試みる。また、測定に最適な試料セルの大きさ及び測定周波数について実験的に検討する。また、蛋白質の熱変性を測定する際、アグリゲーションを避けるために強酸性の緩衝液に分散した条件で測定を行う場合があり、試料セルの材質としてステンレス鋼では化学的な安定性が十分でない場合が予想される。そのため、試料セルの材質についても検討を行う。 試料セルの材質としては、通電したときの発熱のしやすさから電気抵抗率は高く、反面温度の均一性を良くするために熱伝導率は高いほうが良い。チタン、金などの材料が試料セルの材料として有望であり、実際に試料セルを作製して検討する。
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Research Products
(1 results)