1997 Fiscal Year Annual Research Report
海馬苔状線維終末に発現するシナプス前カイニン酸型グルタミン酸受容体の機能
Project/Area Number |
09780761
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
神谷 温之 群馬大学, 医学部, 講師 (10194979)
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Keywords | シナプス伝達 / カルシウムイオン / グルタミン酸 / 海馬 |
Research Abstract |
イオンチャンネル共役型グルタミン酸受容体のうちAMPA型受容体は興奮性シナプス伝達に、NMDA型受容体はシナプス可塑性に必須の分子であることが明らかになったが、カイニン酸型受容体の機能については不明な点が多い。本研究では海馬スライス標本においてシナプス伝達とシナプス前終末内Ca^<2+>動態の電気生理的及び光学的同時計測を行い、CA1野シナプスでのシナプス前カイニン酸型受容体の作用機序について検討を行った。海馬スライス標本に低濃度(1μM)のカイニン酸を投与するとCA1野シナプスでのEPSPが可逆的に抑制された。このときニ発刺激による促通(paired-pulse facilitation;PPF)が増大したことから、カイニン酸の作用はシナプス前性の変化(伝達物質放出の減少)を伴うものと考えられた。さらに、このシナプス前カイニン酸受容体の作用機序を明らかにする目的でシナプス前終末内Ca^<2+>動態に対するカイニン酸の効果を調べた。スライス標本において入力線維層に蛍光Ca^<2+>指示薬のAM誘導体(rhod2-AMなど)を局所的に注入するとシナプス前部だけに選択的に蛍光Ca^<2+>指示薬を負荷することが可能である。このような標本において計測したシナプス前終末へのCa^<2+>流入を反映する蛍光強度変化もカイニン酸によりEPSPと同様の時間経過で抑制された。このときEPSPとCa^<2+>流入の抑制の程度は同様にシナプス前性にシナプス伝達を抑制すると考えられる低Ca^<2+>液中で測定されたものとほぼ等しかった。このことからカイニン酸は主にシナプス前終末へのCa^<2+>流入を抑制することによりCA1野シナプス伝達を抑制するものと考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Kamiya: "Phorbol ester and forsholin suppress the presynaptic inhibitory action of group-II metabotropic glutamate receptor at rat hippocompal mossy fibre synapse" Neuroscience. 80・1. 89-94 (1997)
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[Publications] H.Kamiya: "Kainate receptor-mediated inhibition of presynaptic Ca^<2+> influx and EPSP in area CAl of the rat hippocampus" Journal of Physiology. (印刷中).
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[Publications] S.Ozawa: "Glutamate receptors in the mammalian central nervous system" Progress in Neurobiology. (印刷中).
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[Publications] K.Obokata: "Differential effects of phorbol ester on AMPA and NMDA components of excitatory postsynaptic currents in dentate neurons of rat hippocampal slices" Neuroscience Research. 29. 171-179 (1997)
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[Publications] 神谷 温之: "Caイオンと可塑性" Clinical Neuroscience. 15・10. 1108-1110 (1997)