1998 Fiscal Year Annual Research Report
人の認知・イメージ上の特徴を目的とする人工物の形態の探索と視覚化
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09838036
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Research Institution | Tokyo Institute of Polytechnics |
Principal Investigator |
森 典彦 東京工芸大学, 芸術学部・デザイン学科, 教授 (10174377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高梨 令 東京工芸大学, 芸術学部・デザイン学科, 助手
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Keywords | 特徴の非線形変換 / ラフ集合理論 / 極小縮約 / 連鎖的構造 / 類縁関係 / イメージ |
Research Abstract |
2年目である本年度の研究計画は、一つは前年度に開発した、人工物の形態に関する特徴の非線形変換アルゴリズムを応用面から発展させ、設計者にとって実用価値ある支援システムを構築することであった。そしてもう一つは人工物として前年度は製品を対象としたが、本年度は印刷物やサインシステムなどへの適用法を検討することであった。 前者については、自動車を事例として、非線形変換アルゴリズムを用いて多様な形を生成し、これらのイメージに関する詳細なデータをアンケート調査を通して獲得し、アルゴリズムにおける2個の初期条件および3個のパラメータとイメージとの関係を調べた。そしてこの関係をモデル化することによって、あるイメージを目的としたときに最適な形を図形的に生成可能としようとした。モデル化のために線形・非線形の種々のモデル、中でもラフ集合理論における極小縮約アルゴリズムがこの場合最も有効と見て試みたが、結果としては複雑な考察を必要とし、実用的なシステムには至らなかった。 そこで基本に立ち返ってイメージのもつ一般的な性質を調べることにし、認知心理学で指摘されている、言葉の意味に現れる連鎖的構造にヒントを得て、あるイメージを結果としてもたらす形の認知要素パタンは複数あり、類縁関係と呼ぶ連鎖的構造をもつことがイメージの特徴であることをラフ集合理論の極小縮約によって確かめた。探索システムにおける形とイメージの関係のモデル構築はこの類縁関係を取り込まなければならず、現在その方法をシミュレーションを通じて研究している。 後者については、上記のモデル構築ができて多くの製品について有効性を確かめたのちに着手する。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 森典彦: "工芸品における日本の伝統美の推定" 富士通(株)主催・第3回印象の工学ワークショップ論文集. 3号. 41-53 (1998)
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[Publications] 高梨令: "特徴の非線形変換におけるパラメータと生成された形のイメージとの関係" デザイン学研究第45回研究発表大会概要集. 186-187 (1998)
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[Publications] 森典彦: "イメージ語に対応する認知要素群に現れる類縁線関係" デザイン学研究第45回研究発表大会概要集. 188-189 (1998)
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[Publications] 森典彦: "感性工学を特徴づける感性の連鎖構造" 日本学術会議第3回感性工学学術シンポジウム論文集. 3号. 12-17 (1998)
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[Publications] 森典彦: "感性語の因果推定に現れる連鎖的構造" 東京工芸大学芸術学部紀要. 5巻. (1999)