1998 Fiscal Year Annual Research Report
消化管のないチューブワームは如何に地球も食べるか?
Project/Area Number |
09839023
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
三浦 知之 鹿児島大学, 大学院・連合農学研究科, 教授 (10199953)
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Keywords | 化学合成生態系 / 硫化水素 / 鹿児島湾 / チューブワーム / 栄養生態 / 環形動物 / 安定同位体 / 海底火山 |
Research Abstract |
野外調査、特に、実験材料の採集のために、海洋科学技術センター深海研究部との共同調査による鹿児島湾での無人探査機調査を6月末中旬に行った。関連して8月と12月に海洋科学技術センターにおいて、調査後の標本の処理・管理などの打ち合わせを行った。サツマハオリムシの成長を追跡調査する目的で、昨年度標識放流した個体を6月の無人探査機調査で再補し、標識に成功している場合は9月後の現場での成長量が判明する予定であったが、標識個体が現場付近を漁場とする底引き網にかかり、港にしばらく放置された後通知があり、結果は得られなかった。標識そのものは残っていたが、現場での写真等で判断するには堆積物の沈着が多く、問題も残った。 硫黄安定同位体比の分析用の標本として、冷凍標本30個体、乾燥標本100個体を6の調査時に作成した。同じく100個体程度を1年以上飼育し、同様な標本を作製する。これらを分析し、硫黄の同化について考察した。その結果、従来考えられていたような火山起源の硫化水素ガスは、直接サツマハオリムシに利用されてるわけではないことが判明した。以上の研究結果をまとめて、8月にブラジルで開催される国際多毛類研究者会議で発表した。同じく、潜航調査結果を中心とした成果は、11月に東京で開催された国内シンポジウムで発表した。
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