1997 Fiscal Year Annual Research Report
シェイクスピアの原文による『英語能・クレオパトラ』創作の研究
Project/Area Number |
09871073
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
宗片 邦義 静岡大学, 人文学部, 教授 (10022104)
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Keywords | 能 / シェイクスピア / 英語能 / アントニ-とクレオパトラ / 新作能 |
Research Abstract |
能とシェイクスピア劇の融合は、能楽600年の、またシェイクスピア劇400年の上演史上、全く考えられないことであった。さらに、能もしくは謡曲は、日本語でのみ可能であり、外国語では不可能とされてきた。シェイクスピアの英語原文そのものに観世流の節付けをして、英語の謡曲もしくは能台本を創作することは、時間のかかる大変な仕事であった。 本研究の場合、これまでの英語能創作研究の成果を踏まえて、シェイクスピアの『アントニ-とクレオパトラ』を基に『英語能・クレオパトラ』を創作することであった。まずシェイクスピアの原文Antony and Cleopatraを改ためて読み直し、能への翻案の基本の構成を作りながら、資料集めを進めていった。これまでシェイクスピアの四大悲劇を能に翻案上演した経験を出来る限り生かし、それらに優る能台本を創りたいという意欲が強かった結果、最終的な台本完成まで至らずに、演者との打合せの段階で、時間切れとなってしまった。しかし、日本語台本はほぼ完成しているので、近い将来、試演の機会があることを希望している。
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