1997 Fiscal Year Annual Research Report
産業財マーケティングの視点からの消費財メーカーの売り手行動に関する研究
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09873013
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Research Institution | Nagano University |
Principal Investigator |
佐藤 剛 長野大学, 産業社会学部, 助教授 (20257504)
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Keywords | 組織購買行動 / 購買センター / 販売センター |
Research Abstract |
本年度は調査のフレームワークを作るために組織購買行動の文献を中心にサーベイを行ったが、その結果、次のような知見が得られた。 1960年代から70年代に組織購買行動研究がひとつの研究領域として成立することになるが、初期の論文では意思決定のための情報システムとして組織購買行動を捉え、組織内部でどのように意思決定が行なわれているかについて分析が行なわれた。その後、売り手も買い手の購買行動に影響を与えるという指摘がいくつかの論文でみられるようになった。60年代から70年代の組織購買行動の中心概念のひとつが購買センターであるとすれば、それに対して販売センター(セリング・センター)が売り手の組織のなかに存在することが指摘されるようになったのである。さらに、マーケティング分野に止まらず、組織論や組織行動論の立場からも売り手と買い手の相互行為のなかで購買が決定されるという主張がみられるようになった。また、本研究では組織購買行動の主体として大規模小売企業を想定しているが、国内外の論文の多くは当該小売企業の仕入れ基準やプロセスを分析しているが、最終購買者である消費者の行動や基準を反映した論文は少ないように思われる。 以上の知見から、次年度では売り手組織の行動が買い手組織にどのように影響を与えるのかということ、そして消費者の購買行動を買い手組織である大規模小売企業はどのように認識し、具体的に仕入れ行動に反映しているのかという点を中心に調査し、大規模小売企業の購買行動の特徴を明らかにしたい。
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