1997 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島に隕石孔(インパクトクレーター)を探す。その1.田沢湖
Project/Area Number |
09874096
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
矢内 桂三 岩手大学, 工学部, 教授 (40004494)
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Keywords | クレーター / インパクト / 隕石 / 田沢湖 / シャッターコーン |
Research Abstract |
田沢湖の成因についてはまだ確かなものはなく、次の3つの成因が考えられる。すなわち、1.噴火口(火山噴火による火口)説。2.構造的陥没地形説、3.隕石孔(インパクトクレーター)説である。 初年度は上記の3説を検証するために、従来の地質調査の結果等を再調査する一方、田沢湖周辺の詳細な地質調査と岩石試料の採集も行った。野外調査から当地域は第三紀の各種熔岩、凝灰岩、凝灰角礫岩、堆積岩等からなることを再確認した。しかし、今回の調査からインパクトクレーターに特徴的なシャッターコーンなどは確認されなかった。シャッターコーンは岩質により出来やすさが異なり形成されないこともあるため、インパクト(隕石衝突)による岩石の角礫化にも注目し、角礫岩の調査にも力を注いだ。採集した石については岩石薄片を作成し、顕微鏡観察を行った。一方、秋田大学鉱山学部素材資源システム研究施設には田沢湖を含む広域の地質調査データーと岩石試料・岩石薄片があり、これらについても調査し、100枚以上の岩石薄片を観察することが出来た。今年度の野外調査と室内研究からは隕石孔説を確実に証明出来るデーターは得られなかった。次年度は更に詳細な野外調査に加え、田沢湖の地球物理学的データー(重力、磁力など)も収集し、インパクトクレーター説の証明に足掛かりを得たい。
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