1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09875177
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
磯本 良則 広島大学, 工学部, 助教授 (40127626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢吹 彰広 広島大学, 工学部, 助手 (70284164)
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Keywords | 音響 / 音響衝撃法 / 非破壊検査 / 材料欠陥評価 |
Research Abstract |
1 音響検出器の製作 音響検出器はマイクロホン、増幅器、フィルター及びデジタルオシロスコープからなる。まず、汎用マイクロホン及び汎用増幅器を用いた音響検出器を製作した。現在、音波の高周波成分を検出するために高性能マイクロホン(申請設備備品)と高速増幅器を用いた音響検出器を製作しているところである。 2 振動変位検出器の製作 市販のレーザ変位形では高い振動周波数に対する応答性が低いために、本目的に適合したレーザ変位形を自作した。レーザ発光素子、フォトダイオード等は市販品であるが、発行部及び受光部の構成に改良を加えることにより、高周波成分を検出できることが可能となった。 3 音響衝撃試験の再現性 基礎的な解析を行うために、ステンレス鋼の平板試験片(50×50×1t)を用いた。ステンレス鋼を用いたのは、欠陥としての割れを人工的に試験片に付与しやすいためである。音響の減衰を避けるために平板の対角を万力で固定した。衝撃方法としてハンマあるいは鋼球を衝突させることにし、両者を比較した。平板試験片の音響特性を高速フーリエ変換によって得られたフーリエスペクトルの強度及びピーク周波数として評価すると、健全な試験片の音響の再現性は良好であることが分かった。また、衝撃方法については、ハンマを用いるよりも鋼球を衝突させる方が再現性はかなり向上した。一方、固定方法については万力の締付け強度により減衰の度合いは変わり、スペクトルの強度は低下するが、ピーク周波数には変化が見られないことが分かった。 4 材料欠陥評価 ステンレス鋼を鋭敏化させた後に塩化マグネシウム溶液中で数ミリの割れを発生させた試験片の音響特性を、健全な試験片のそれと比較したところ、スペクトルの強度及びピーク周波数に違いが見られ,音響衝撃法により材料の欠陥評価が可能であることが明らかにされた。ただし、健全な試験片の音響特性が得られることが欠陥評価の前提である。
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