1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09876032
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 昭雄 大阪大学, 工学部, 教授 (30115844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤山 和仁 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 助手 (70209112)
梶山 慎一郎 大阪大学, 工学部, 助手 (20243496)
福崎 英一郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (40273594)
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Keywords | 食虫植物 / Nepenthes alata / 加水分解酵素 / 補虫のう |
Research Abstract |
食虫植物は窒素、リン、無機塩類が乏しい貧栄養土壌地域に生息し、不足する栄養分を昆虫等を捕獲・消化吸収することで補っていると言われているが、昆虫消化吸収機構に関する詳細な研究報告例はほとんど無い。我々は前記機構解明の第一歩として、主に東南アジアに生息するウツボカズラ科の食虫植物であるNepenthes alataを実験植物として用い、補虫嚢の分泌液中に存在する各種加水分解酵素の分析を行った。 ウツボカズラ(Nepenthes alata)の成熟補虫嚢分泌液を蓋が開く前、開いた直後、開いて一定時間後サンプリングし、各種一次代謝系加水分解酵素活性を測定したところ、蓋の開いた補虫嚢分泌液からプロテアーゼ、キチナーゼ、グルカナーゼ、リボヌクレアーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、ホスファターゼ、エステラーゼの各活性が検出された。また、プロテアーゼ活性は蓋が開いていない未成熟補虫嚢の分泌液においても検出された。次に、これらの酵素についてSDS-PAGE/活性染色を行ったところ、一種類のプロテアーゼ(分子量約48KDa)と4種類のデオキシリボヌクレアーゼ(分子量約42,50,58,68KDa)の各活性を有する酵素の存在が示唆された。一方で、分泌中に共存する微生物の単離を行ったところ、細菌と思われる微生物が単離された。現在、単離微生物由来の酵素を含めた各種酵素の生化学的解析を進めている。
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