1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09876065
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
東城 清秀 東京農工大学, 農学部, 助教授 (40155495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 兼五 東京農工大学, 農学部, 教授 (30015086)
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Keywords | 雪冷熱 / 雪室(ユキムロ) / カビ / 切花 |
Research Abstract |
本年度は雪室の基本的な貯蔵施設としての性格を把握し、切り花の貯蔵に雪室が利用できるかどうかを実験的に検討した。 新潟県安塚町雪だるま財団所有の雪室を対象施設として、実験材料としてバラを使って実験を行った。試験区には、雪室内、雪室通路および管理室内の3区を選定して、地元で栽培し出荷に適したロ-テロ-ゼを収穫して、それぞれ20本ずつバケツに入れ7日間貯蔵した。貯蔵期間中、雰囲気の温湿度、品温、呼吸量、蒸散量、切り花の開花度、花色の変化等を測定した。試験区の温湿度は雪室区の温度0.8〜1.0℃、絶対湿度5g/m^3(相対湿度100%)、通路区の温度10℃、絶対湿度9g/m^3(相対湿度92%)と安定していた。バラ茎部の品温は入庫後約30分で庫内温度まで低下したが、使用したバケツ内の水温が庫内温度まで低下するのに約12時間要した。対照区の呼吸量は平均0.17 CO_2mg/gFW・hであったのに対して通路区ではその1/4、雪室区では1/8であった。雪室区ではCO_2の発生量が少ない上にCO_2が庫内の雪に吸着されているものと考えられた。バラの吸水量は対照区で0.6〜0.7g/gFW、通路区では対照区の1/6程度、雪室区では1/20と低く抑えられていたが、通路区および雪室区の貯蔵花を庫内から出庫した後は対照区と同程度の吸水量となった。花の開花度は雪室区より通路区の方が進む傾向がみられたが大きな差はなかった。花弁の色の経時変化を見ると対照区の花色は明るい赤に変わったのに対して、雪室区貯蔵後の花色はΔa^*の増加が小さいことから、やや赤色の発色が遅れるものと考えられる。
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