1997 Fiscal Year Annual Research Report
p21rasシグナル伝達経路活性化阻害による炎症性腸疾患の治療-炎症の抑制と発癌予防を目的として-
Project/Area Number |
09877102
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
斉藤 裕輔 旭川医科大学, 医学部, 助手 (30281900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦 等 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70280865)
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Keywords | p21ras / 炎症性腸疾患 / TNBS腸炎 / Th-1 |
Research Abstract |
本年度は,Trinitrobenzene sulfonic acid(TNBS)惹起性ラット腸炎モデルを作成し,その腸管局所の経時的な免疫学的解析を行った。炎症発生以後経時的に腸管組織を摘出し,これより分離したRNAを用いて,Tリンパ球由来サイトカイン(IL-2,IL-4,IL-10,INF-g)mRNA量をRT-PCR法を用いて測定した。その結果,このモデルの慢性期において,Th-1タイプのcytokine(IL-2,IL-4)が持続的に産生されていることを明らかにした。この結果によって,本研究の課題である「炎症性腸疾患動物実験モデル腸管局所におけるリンパ球由来サイトカイン産生に及ぼすp21ras活性化阻害剤の影響」についての解析に当たってTh-1タイプの動態に特に注目すべきであることが明らかになった。さらに本年度は,患者由来の材料を用いて,「ヒトの免疫担当細胞と腸管内血管内皮細胞の接着をin vitroで再現する実験系の開発とその解析」についての研究を進め,患者大腸・小腸由来の血管内皮細胞培養を行っている。今後,ratのTNBS腸炎モデルを用い,このモデルに対して当研究施設で新規に開発した薬物を含むp21ras活性化阻害剤であるprotein pharnesyl transferase inhibitorを種々の投与量で全身・局所投与し,影響を検討を行う。
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