1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09877123
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
長谷川 節 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50256434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 昌代 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40277083)
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Keywords | 末梢神経障害 / 炎症性cytokine / 抗好中球細胞質抗体 / MPO-ANCA |
Research Abstract |
炎症性cytokineが諸臓器を障害し、様々な病態を惹起することが判明してきた.一方,末梢神経は種々の原因で障害されが,これまでに炎症性cytokineが末梢神経組織にいかなる障害を与えるかは不明であった. 今回,炎症性cytokineが分泌される代表的疾患であるmyeloperoxidase(MPO)に対する抗好中球細胞質抗体(ANCA)陽性血管炎(MPO-ANCA related vascuritis)患者9例で末梢神経障害を検討した. 臨床所見および電気生理学所見,病理所見から全例に末梢神経障害を認め,mononuropathy型障害1例,polyneuropathy型障害4例,両型混在4例であった. MPO-ANCA related vascuritis ではMPO-ANCAが炎症性cytokineと共軛して血管炎をきたす.通常の血管炎ではmononuropathy型の末梢神経障害となるのが従来からの定説であった.本研究の結果,mononuropathy型以外の末梢神経障害患者を多数認めたことから,炎症性cytokineが血管炎を介さない末梢神経障害の原因となることが判明した.今回はその機序解明に至らず,今後の研究が必要である.
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