1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09877144
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牛島 廣治 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10091068)
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Keywords | 食用植物 / ワクチン / 組換え体 / アグロバクテリウム / HIV / ロタウイルス / 下痢症ウイルス |
Research Abstract |
ウイルス感染症の多くは粘膜を介して生じるため、あらかじめワクチンを用いて粘膜免疫を高めておけば感染の予防が可能となる。粘膜免疫は局所に作っても、免疫担当細胞が移動し他の粘膜組織にも有効となる。ここでは食用食物にウイルス蛋白を発現させて摂食することにより細胞性、液性免疫をつくるモデルとして次の事を行った。HIVのgp120を含む部分遺伝子を用いて双子葉植物に感染する細菌であるアグロバクテリウムのベクターに組み込んだ。アグロバクテリウムの菌体内ではgp120の領域のmRNAが検出された。このアグロバクテリウムをレタスの葉に感染させて無菌培地の中でカルスを形成させ分化させて土に植えかえ植物体を作らせた。アグロバクテリウムの中のgp120を含む部分遺伝子が植物体の細胞の遺伝子と相同組換えを起こすと、レタスの細胞内で遺伝子が発現する。現在植物を成体まで育てあげ、種子を採るところまで成功した。しかし成体となった植物の葉のDNAを抽出してPCRを行ったところgp120の遺伝子は検出されなかった。この原因を究明すると共に、初期の段階に戻ってアグロバクテリウムのベクターに組み込むところから試みる予定である。この研究は食用植物を用いたワクチンの開発が目的で、同時並行的にはロタウイルスなどの下痢症ウイルスのアグロバクテリウムへの組み込みを今後行う所である。また、バキュロウイルスへのgp120の組み込みと発現も平行して行う。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kakizawa J & Ushijima H: "Genetic analysis of the eapsid region of human asbapas seretype3 isolated in Japan" Microbiol.Immunol.41 (8). 637-640 (1997)
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[Publications] Wen L & Ushijima H: "Genetic variation in the VP7 gene of human rotavirus seretype3 (G3 types) isolated in CH_1na and Japan" Arch.Virol.142. 1481-1489 (1997)
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[Publications] Akihara S & Ushijima H: "An outbreak of Norwalk-like virus infection in Tokyo and Saitama in late 1995." J.Jap.Assoc.Infect.Dis.70. 840-841 (1996)
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[Publications] Yue Han-Jun & Ushijima H: "Detection and genetyping of ashoviruses by RT-PCR and Sequencing." J.Jap.Assoc.Infect.Dis. 70. 1220-1226 (1996)
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[Publications] Nakayama M & Ushijima H: "Detection and sequencing of Norwalk-like viruses from stool samples in Japan using RT-PCR" Microbiol.Immunol.40. 317-320 (1996)
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[Publications] Kakizawa J & Ushijima H: "Diversity of HIV type1 envelope V3 loop region in saliva." Human retrovirus and AIDS. 12. 561-563 (1996)
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[Publications] 山口恵三編, 牛島分担: "新興再興感染症(小型球形ウイルス)" 日本医事新報社, 186 (1997)
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[Publications] 井村裕夫編, 牛島分担: "最新内科学体系・感染症プログレス" 中山書店, 355 (1997)