1998 Fiscal Year Annual Research Report
血液透析患者の〓痒に対するγリノレン酸の有効性とその作用機序
Project/Area Number |
09877157
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大塚 藤男 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (10092157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 裕志 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20231566)
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Keywords | リノレン酸 / ガンマリノレン酸 / 痒み / 角層水分量 |
Research Abstract |
本年度は、同意を得た血液透析患者10名にγリノレン酸を14ヵ月の長期投与し,安全性、自覚的な痒みの改善度、皮膚水分量の変化について検討した。研究計画 1. 投与開始から、1ヵ月ごとに血算、生化学検査を実施し、吐き気、嘔吐、腹満感、食欲、下痢などの自覚症状の有無をみて安全性を確認した。 2. 内服前を10として、1,2,3,14ケ月後の痒みの程度を10段階評価した。 3. モイスチャー・チェッカーを用いて、内服前、2、4、12、14ヵ月後に、4ヵ所の皮膚水分量を測定した。30倍拡大のビデオルーぺで同皮膚を観察し、写真撮影をした。 結果 1. 血液学的な異常を示した患者はいなかった。自覚的には、腹満感2例、下痢1例、便通がよくなる例が3例あった。 2. 痒みの程度は1ヵ月後には7.83、2ヵ月後には6.54、3ヵ月後には4.92と低下し、14ヵ月後にも痒みは半減状態が持続した。 3. 内服2ヵ月後、1年後、14ヵ月後には、ほとんどの症例、部位で、水分量は有意に上昇していた。 4. 不明瞭な皮野と粗造な角質が改善され、皮野が細かくなり、角質も減少した。 まとめ γリノレン酸には、血液透析患者の痒みを軽減させる効果があり、その作用機序の一つに、角層水分量の増加作用があることが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] F.Otsuka: "Supplementation with γlinolenic acid alters filtrability of whole blood suspension and fatty acid composition in phraphclipid of plaoma and neutecphil membrarl" Microcirculation annual. 14. 53-54 (1998)
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[Publications] 大塚藤男: "血液透析患者の痒みと血液の流動性について" 第7回痒みシンポジウム抄録集. 43-49 (1998)