1999 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮成長因子(VEGF)を併用した虚血心筋再潅流の研究
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09877253
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
椎谷 紀彦 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (00250449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国原 孝 北海道大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | 虚血 / 心筋 / 脊髄 / Grouth Factor |
Research Abstract |
1)New Zealand White rabbitの左前側方開胸、左冠動脈前下行枝結紮による急性心筋虚血モデルを用い、IGF-1(ソマトメジン)とvehicleの左房内投与の心筋梗塞縮小効果を検討した。検討項目としては虚血4.5時間のinfarct area/area at risk,TUNEL法によるapoptosisの同定とH-E染色による病理組織所見を用いた。JGF-11mg投与(n=4)2mg投与(n=2)4mg投与(n=1)とvehicleを比較検討したが、infarct area/area at riskはばらつきが大きく一定の差異を認めなかった。 2)New Zealand White rabbitの左前側方開胸、左冠動脈前下行枝結紮による急性心筋虚血モデルを用い、CO2レーザー心電図非同期出力200mJ、直径400μmで、虚血領域に3-5mm間隔で4-6個のtransmyocardial channelを作成した。また対照群として、虚血のみの群、同等の針穴をあけた群を設け、各群n=4施行した。虚血4.5時間のinfaect area /area at risk、TUNEL法によるapoptosisの同定とH-E染色による病理組織所見を検討したが、一定の成果は得られなかった。 以上1)2)の結果には、モデルが実験に適さない可能性と、IGF-1や心電図非同期TMLRが無効である可能性の両者があると考えられたが、予算の制約から中動物モデルへの変更は断念した。またここ2年間で、心筋虚血に関する種々GF投与の効果、TMLRとのcombination therapyの効果についての報告がいくつかみられるようになり、心筋虚血に関する実験継続の意義も低下した。そこで、脊髄の虚血障害防止に対する各種GFの応用に実験の中心をシフトした。 3)IGF-1はBBBを通過しないことが知られており、従来教室で脊髄虚血モデルとして用いてきたウサギ腎動脈下バルーン遮断モデルにおける応用を考慮して、ウサギくも膜下腔に留置カテーテルを挿入するモデルを検討した。(n=10)。しかし従来報告されている椎弓切除を伴う方法では、手術侵襲が大きく急性期死亡が多いため、本実験系には不向きであると判断した。そこで、実験動物をラットに変更し、くも膜下腔カテーテル留置慢性動物を作成した(n=3)。現在、胸部下行大動脈バルーン遮断による脊髄虚血障害モデルの確立に取り組んでいる。
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