1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09877311
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
武島 仁 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (00197287)
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Keywords | testis / spermatogenesis / anti cancer drug / adriamycin / LH-RH agonist / rat |
Research Abstract |
精細胞休止法による抗癌剤の造精機能障害予防の研究 【目的】 今までにadriamycinによるラットの造精機能障害の不可逆モデルを作成した後、LH-RH agonistをadriamycin投与の6週前より使用しFSHおよびLHを抑制することにより造精機能の保護できることを示した。しかし、この方法ではFSHおよびLHが十分に抑制されるまでに6週間待てねばならないことなどから、臨床において抗癌化学療法をできるだけ速やかに施行しなければならない場合には適用が難しくなる。今回はLH-RH agonistをadriamycin投与開始と同時に使用した場合に造精機能に対する影響がどのようになるのか検討することを目的とした。 【方法】 I群(対照群):生理食塩水のみ投与 II群(adriamycin投与群):adriamycin0.5mg/kgを週3回で5週間投与 III群(LH-RH agonist投与群):LH-RH agonist徐放剤を3mg/kg1回投与 IV群(adriamycin、LH-RH agonist投与群):II群+III群 これらを投与開始後5週、12週、19週で安楽死させ精巣の変化を観察する。 【結果】 今回の結果は第5週の結果である。 体重に有意差はなかった。 精巣重量はI群3.46±0.57g、II群1.81±0.24g、III群2.60±0.14g、IV群1.74±0.02gであった。I群とII群およびIV群(p<0.01)、III群とII群およびIV群(p<0.05)との間に有意差を認めたがI群とIII群の間には有意差はなかった。 【考察】 今回の検討はadriamycin投与終了直後の結果であり、この時点ではadriamycin投与群では精巣に対する障害が強くでていることが考えられた。今後の回復の過程でLH-RH agonistによる保護効果が認められるか観察を継続する。
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