1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09877417
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
桑原 淳 徳島大学, 薬学部, 助教授 (90225318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 康雄 徳島大学, 薬学部, 助教授 (60226157)
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Keywords | チトクロームp450 / 発癌 |
Research Abstract |
発癌の予防には発癌前駆物質がP450による酸化的代謝を受けるのを阻害し,発癌物質の生成を抑えればよい.野菜の成分によるP4501A1,1A2の不活性化を標的とし,酵素のその不活性化機構を蛋白質化学的に解明し,さらにより選択的でより有効なP450不活性化剤を探索開発し,最終的にはそれによる難治性癌の肺癌予防薬開発を目的として研究を進めている.本研究の材料であるP4501A1,1A2の大量調製のために,組換え大腸菌による高発現系を確立した.すなわちP450蛋白質のN末端の膜アンカー部分の約20残基を除き,N末端アミノ酸をアラニンに変えたP450遺伝子をT.7プロモーターを用いる高発現べクターとして構築した.P4501A2については約100nmole/L以上の高収量で酵素を得た.組換えラットP4501A2Δ2-24は,イオン交換カラムクロマトにより精製し,ほぼ単一にまで精製されたことをSDS-PAGE,イムノブロットにより確認した.精製したP4501A2Δ2-24は,エトキシクマリン脱エチル化活性測定により,その酵素活性を維持していることを確認した.さらに,その酵素活性はPhenethyl isothiocyanate(PEITC)により,濃度依存的に阻害されることを確認した.得られた精製P4501A2Δ2-24を用いて,酵素蛋白質化学的にその不活性化機構の解明へと研究を進めている.また,P4501AlについてもPCRと組み合わせることで組換えラットP4501A2Δ2-22の発現プラスミドの構築に成功し,発現をイムノブロットにより確認した.現在,発現効率を高める条件を検討すると共に,これら2つの蛋白質に対するPEITCの阻害効率を比較している.
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