1997 Fiscal Year Annual Research Report
プライマリ・ケアにおける米国と日本のうつ病性障害の症状に対する比較研究
Project/Area Number |
09877448
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
和座 一弘 自治医科大学, 医学部, 助手 (60260832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴田 貴志夫 自治医科大学, 医学部, 講師
吉新 通康 自治医科大学, 医学部, 助教授 (80158386)
五十嵐 正紘 自治医科大学, 医学部, 教授 (40049036)
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Keywords | うつ病性障害 / プライマリ・ケア / 比較研究 / 身体症状 / 腹痛 |
Research Abstract |
自治医大の地域家庭診療センターと米国のケース・ウエスタン・リザ-ブ大学の家庭診療センターの外来患者から、年齢が、18才から65才の男女で、米国では、DSM-IV、日本では、ICD-9の診断名を使用して、大欝病、躁欝病、適応障害、気分変調性障害の何れかに該当する患者100人の診療録を研究対象として抽出した。研究方法としては、後ろ向きに上記診療録を検討して、年齢、性、診断名、また、患者の主観的症状を診療録のSubjective Noteから抽出して、記載した。米国では、医学部4年生の研究助手を使い主任研究員の和座が、また、日本での診療録の検討も和座が行った。分析は、上記の各項目について、米国と日本のデータを、統計的にカイ二乗検定や、多重ロジスチックモデルを使用して比較解析され、以下の新たな知見が得られた。 1)わが国のプマイマリケアの場での鬱病性障害患者は、米国の同患者に比較し、主審の段階で身体症状を強く呈し、特に身体症状のみの症例も多い。 2)わが国のプライマリケアの場での鬱病性障害患者は、米国の同患者に比較し、やや多彩で、特異的(腹部症状、肩こり、頭痛等)な身体症状を呈する。 この知見を下にすれば、日本のプライマリケアの場で、鬱病性障害患者を早期により的確に診断出来る可能性がある。また、次年度に向け、前向き方法で、対象患者も増やし、比較研究を実施する予定である。
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