1997 Fiscal Year Annual Research Report
重症心身障害児とTOUCHING-摂食機能への影響-
Project/Area Number |
09877476
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
土取 洋子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助手 (20275366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山磨 康子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (50033444)
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Keywords | 重症心身障害児 / TOUCHING / 摂食機能 / 嚥下困難 / 多重感覚刺激 / 未熟児 / 感覚統合療法 / 栄養 |
Research Abstract |
本研究の目的は、重症心身障害児(以下、重症児とする)の顔面及び身体へのTOUCHINGを継続的に実施し、1.相互作用過程における重症児の情緒反応、心理・精神状態を現象学的に記述すること。2.定期的に成長発達・生理学的変化を科学的に測定し、総合評価することである。本年度は、予備的研究として国内外における文献的研究を行った。MEDLINE,CINAHL,PsycLIT,医学中央雑誌、最新看護索引、日本看護関係文献集を1983年から1997年までKey wordsについて検索し327件の文献を抽出し、収集文献のレビューを統合して、介入の理論的根拠を明確にした。収集文献の知見を検討した結果、本研究の仮説への示唆を得た。栄養リハビリテーションが、発達障害の診断と治療の早期に実施されれば、成長の遅れを予防し、重症化の進行緩和が期待される。一方神経学的リハビリテーションは、未熟児に対する多重感覚刺激と障害児の感覚統合療法に関する研究により、触覚刺激の有効性が実証されてきている。Ayres,J.の、感覚行動発達モデルでは、離乳完了までの哺乳・摂食機能に触覚刺激の影響が大きいことが説明されているが、未成熟な中枢神経系の発達を促進するメカニズムについては不明である。TOUCHINGという情緒に強く働きかける要因が、神経系の発達および栄養状態にどのように影響し、発達を変化させるか、本研究では、重症児の生活の場でシングル・ケース研究法による実証的研究を行う。 文献的研究をもとに、介入の理論的証拠を整理し、実験的研究のために、1.入所・通園施設の環境(施設設備・療育プログラム・ケア提供者)アセスメント、2.TOUCHINGの対象選択基準、3.介入の手順、4.対象児の生理学的ベースラインアセスメント、5.介入のアウトカムに関する評価基準を試作した。また介入に際して、6.自己決定することができない対象に対するインフォームド・コンセントを検討し、保護者への依頼書を作成した。
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Research Products
(1 results)