1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09878001
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
時友 裕紀子 山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (40155510)
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Keywords | 食環境教育 / 食品衛生学実験 / 高等学校家庭 / 食品微生物 |
Research Abstract |
食環境教育の一環として重要な食品衛生に関わる現象を生徒に科学的に理解させるため、高等学校家庭において実施可能な微生物実験授業を設定することを目的とした。 本研究(2年計画)の2年目にあたる1998年度においては、引き続き微生物実験の経験のない本学家政科学生に実験させ、微生物の平易な培養方法と日常食品中に微生物が存在することを認識させる方法を検討した. 培養に用いる素材は身近なものを用いた。培地には初年度の実験で観察がしやすいことが判明した(培地が透明である)顆粒状のカツオだしの素を用い、熱湯にて溶解後クッキングペーパーにてろ過し、粉寒天を加え、圧力なべまたは電子レンジで滅菌または殺菌した。これを市販の滅菌シャーレに分注し、作製した寒天平板培地に、納豆1粒を少量の水に浸漬して得た上澄み液をピペットにて流し込み、37℃の恒温器で培養して納豆菌の生育を観察させた。また、学生に食品を準備させ、そのまま、あるいは濾紙にしみ込ませて、納豆菌を接種した寒天培地上に置いて培養し、ブランクと比較させた。なお、無菌操作は主として持ち運び可能の簡易型クリーンベンチ内で行った。 その結果、いずれの学生においても失敗なく納豆菌の接種・培養ができ、「台所にある材料,器具と簡単な操作で興味深く実験ができ、食品中の微生物の存在を認識し,食品の衛生管理の重要性を認識した」という感想が多く、実験の題材として好評であった。試料とした食品の選択については一考を要するが、フイルム包装したハム,ソーセージや牛乳からは微生物は検出されず,学生の興味を引いた。さらに上記結果を参考にして、学生とともに授業指導案を作成し,家庭科の実験実習授業で行うことを計画した.
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