1997 Fiscal Year Annual Research Report
「ネットワーク家族」における親密性の変容(携帯メディアの空間距離学的研究)
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09878005
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
藤本 憲一 武庫川女子大学, 生活環境学部, 講師 (00248121)
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Keywords | モバイル / 家 / 自動車 / 移動体 |
Research Abstract |
「モバイル(移動体通信)」は、よりいっそうブームを呼ぶのか、それとも一過性のブームで消えてしまうのか。 私の予感では、20世紀末から来世紀へつづく「ミレニアム(千年紀)」の変わり目におけるキーワードとなりそうだ。 まず英和辞典で、“mobile"の項を引いてみよう。1)移動できる・機動力のある、2)流動する、3)表情の豊かな…とあって、たとえば“mobile house"は移動式住宅(トレーラーハウス)、“mobile police"は警察の機動隊である。 基本的には、流行語としての「モバイル」は、さきの英和辞典の“mobile"の用例1)に該当するが、もっと曖昧で、多義的である。歴史的に推理してみると、次の3つの意味の地層が、時代を超えて積み重なり、20世紀末日本の流行語として、微妙なニュアンスを獲得したのではないか、と思われる。 (1)「家」具(家から分離された動産)の時代 (2)自「動」車(家に依存せずに移動する個室)の時代 (3)移動「体」(からだに身につける情報通信端末)の時代 この新しいライフスタイルは、おそらく一昔前なら、お行儀の悪い[ながら族」として、年長者に叱責され、嫌悪されたに違いない。もちろん、現時点でも、ところかまわず鳴る携帯電話への非難・バッシングに象徴されるかたちで、激しい批判にさらされている。が、少なくとも「モバイル」という魔法の呪文によって、いささかせわしない「ながら族」的行動パターンが、マルチメディア時代のビジネススタイル、レジャースタイルとして賞賛される傾向も強まってきている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 藤本憲一: "娘たちの「電子コミュニケーション」が、父にはわからないその理由" プレジデント. 35-7. 270-273 (1997)
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[Publications] 藤本憲一: "「モバイル“mobile"」の文化社会学" ファッション環境. 7-4. 20-29 (1998)
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[Publications] 藤本憲一: "暗号化された匿名の人間関係" 現代風俗学研究. 4. 32-37 (1998)
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[Publications] 藤本憲一: "携帯獣の系譜学" 生活情報学研究. 1. 18-23 (1998)
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[Publications] 藤本憲一他4名: "ポケベル・ケータイ主義!" ジャストシステム, (1997)
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[Publications] 藤本憲一他13名: "デジタル・ウォーズ 暗号〜日米ビジネス戦略" 日本放送出版協会, 127 (1997)