1998 Fiscal Year Annual Research Report
「ネットワーク家族」における親密性の変容(携帯メディアの空間距離学的研究)
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09878005
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
藤本 憲一 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助教授 (00248121)
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Keywords | モバイル / 匿名匿顔 / パソ婚 / ホームページ(HP) / インターフェイス |
Research Abstract |
1990年代に特徴的な若者の行動様式は、「携帯」「モバイル」メディアを駆使して都市を浮遊しつつ、新たなるコミュニケーションの場を作り出した。それと同時に、「携帯」「モバイル」メディアをもちいた匿名の「ベル友」や、パソコンをもちいた匿顔の「メル友」に始まり、続いて顔と名前を明かした街頭での出会いに発展するオフライン行動による親密性の変容が顕著になってきた。「オンラインでの出会い」が、オフラインでの交友ひいては結婚「パソ婚」に結びつくケースさえ、珍しくなくなってきた。 本年度の研究では、街頭におけるフィールドワークや、郵送による通常のアンケート調査を実施するとともに、こうした「パソ婚」現象の実態を把握すべく、「ホームページ(ネットワーク的交友のための"家"の意。以下HP)」を開設し、実態を把握した。 メディア論では固定電話から携帯電話への流れに代表されるように、家電から個電へ、すなわち<ウチ電>から<ソト電>への趨勢変化が指摘されている。これは従来、"家" (あるいは会社・学校)をベースにしてきた人間活動の基本機能(宿泊・儀礼・食事・教育等、さまざまな機能)が、今は、家は寝るだけで他の家庭機能は外部化されつつある。 逆に、ホームページ調査によって明らかになったのは、家屋というハードウエアに囚われない水面下における、HPという名の新しい社交の結節点のありようであった。「携帯」 「モバイル」メディアは、匿名匿顔のHP的オンライン世界と、街頭でのオフライン世界との"インターフェイス"的役割を果たしている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 藤本憲一: "匿名・雑音・寄生-「ベル友」をめぐる「Y」の図像=論理学" 現代風俗研究会年報. 21. 36-53 (1998)
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[Publications] 藤本憲一: "素・イケ・ナマ-ティーンズの感性語いと生活美学" ファション環境. 8-2. 40-41 (1998)
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[Publications] 松田美佐・藤本憲一他3名: "移動体メディアの普及と受容" 東京大学社会情報研究所紀要. 56. 89-104 (1998)
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[Publications] 藤本 憲一他: "生活科学がわかる" 朝日新聞社, 248 (1998)
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[Publications] 藤本 憲一: "生活美学" 光生館, 286 (1999)