1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09878085
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飯塚 哲 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20151227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 好徳 東北大学, 工学部, 教務職員 (40291249)
畠山 力三 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00108474)
佐藤 徳芳 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40005252)
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Keywords | オゾン / 活性酸素 / コロナ放電 / 酸素プラズマ / 高周波放電 / 殺菌作用 / 化学的酸素要求量 / 異常成長 |
Research Abstract |
金魚の生長と水槽へのオゾン供給量及び水質との関係が明らかにするため以下の実験を行った。金魚の成長を比較するために3つの大型水槽を用意し、1つ(A漕)には純粋空気を供給し、他の2つ(B、C漕)にはオゾン濃度を変えた空気のプラズマ処理ガスを供給した。それぞれの水槽には10数匹の金魚を入れ、水温を温度制御し、餌量も食べ残しがないように調節され自動的に定期的に与えられた。また、それぞれの水槽へのガス流量は一定とした。オゾン発生は印加電圧2kV、25kHzの高周波放電オゾナイザーで行った。その結果、 (1)電極表面積を変え20ppm(B漕)、100ppm(C漕)のオゾン量に調節し、飼育実験を約6ヶ月連続して行ったところ、およそ1ヶ月でC漕の金魚は全て死滅した。体長はA槽より小さかった。これに対して、B槽ではA槽に比べて平均的に1.5〜2倍の大きさに成長し、活発な動きを示した。 (2)A、B槽の水質を詳しく調べた。B槽の溶融オゾン量は検出限界の0.02mg/リットル以下で、オゾンの直接的な影響は無かった。電気伝導度及びCOD(化学的酸素要求量)はB槽の方が多く、硝酸、亜硝酸、燐酸の成分もA漕より多い。B槽には分解有機物が多く検出された。また、菌類の数もB槽が多く、生育環境としての水質に差があることが分かった。 以上により、金魚の成長には供給オゾン量に最適値があることが明らかになった。B槽ではオゾンにより金魚の運動量、餌の摂取量が多くなり、生体活性化により短時間に急激に成長したことが考えられる。オゾンによる水中の有機物分解量が増え、何らかの成分が養分としてあるいは成長環境に寄与している可能性が明らかになった。
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