1998 Fiscal Year Annual Research Report
培養下視交叉上核におけるシナプス形成と概日リズム機構の研究
Project/Area Number |
09878177
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
飯島 典生 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00285248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 誠司 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (10285249)
玉田 善堂 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60254364)
黒谷 亨 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (50195591)
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Keywords | 視交叉上核 / 概日リズム / Multi-electrode dish(MED) / 相関解析 / ギャップジャンクション |
Research Abstract |
生物時計の中枢である視交差上核(suprachiasmatic nucleus; SCN)の活動を解析する目的で、Multi-electrode dish(MED)上で、新生仔ラット脳におけるSCN前額断切片の培養を試みた。培養液量を極力減らし、培養液を頻繁に交換する工夫により、SCN切片をMED上で、約十日ほど培養することに成功した。培養開始一週間後のニューロペプチドの発現分布が、生後一週間後の発現分布とにていることから、培養下においても、SCN切片は正常に近い発達をしていることが示唆される。さらに、同培養において、SCN切片を乗せた複数の電極から、自発的な電気活動を検出し、その活動頻度は同じ位相の概日リズムを示した。このことは培養SCN切片においても、生物時計が機能していることを示している。また、電極間において、自発的電気活動の相関解析を行ったところ有意に相関が見られた。つまり、SCN切片内において、ニューロンの活動は互い連絡を持ちながら、全体として同調した概日リズムを示す。さらに相関解析したなかには自発的電気活動のピークが0.2秒以内のサンプル認められた。この時間間隔では神経細胞間の連絡が、シナプスと考えるには短すぎる。ラットSCNには、ギャップジャンクションを構成するコネクチンが発現していることと合わせ、SCN内のニューロン活動の統合にはギャップジャンクションの寄与が示唆された。
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