1999 Fiscal Year Annual Research Report
変性により退萎した球海綿体筋運動ニューロンにおけるテストステロンの機能
Project/Area Number |
09878194
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
鈴木 健治 日本医科大学, 医学部, 助手 (10287716)
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Keywords | 球海綿体神経核 / 去勢 / テストステロン |
Research Abstract |
精巣摘除により雄の陰茎勃起機能が減退し、テストステロンを投与することによって、この陰茎勃起機能が回復することはよく知られている。しかし、テストステロンがどこに働きどのような機構で陰茎勃起機能を維持しているかは不明な点が多い。腰髄にある球海綿体脊髄核(spinalnucleus ofthe bumbocavernosus;SNB)は、陰茎勃起を起す球海綿体筋を神経支配している。本研究では、精巣摘出によりSNBニューロンの形態的変化観察を目的として行った。陰茎勃起に関与する球海綿体筋及びそれに投射する脊髄運動核ニューロンは、種によって異なる分布を示すことが知られている。ラットではアンドロゲン感受性を持つことが知られ、雄ラットの精巣摘除すると、SNBニューロンの細胞体の大きさ及び樹状突起の長さが減少するが、テストステロン投与によってそれらが正常雄レベルまで回復し、シナプス結合やギャップ結合を修復する事が報告されている。我々は、雄ウサギを用いHRPを用いた逆行性トレース法によりウサギSNBニューロンを同定したところ、神経核を形成するラットとは異なり、ウサギSNBニューロンは脊髄全角に散在することを見いだした。また、精巣摘除により細胞体の大きさは有意に減少していた。次に精巣摘除したウサギを用い、in vivoの系で球海綿体筋を支配している球海綿体神経繊維並びに感覚神経である陰茎神経繊維を電気刺激し、細胞外および細胞内記録法によりSNBニューロンの電気生理学的特性を解析したところ球海綿体筋神経繊維の逆行性刺激による伝導速度には有意な差が認められなかった。 以上のことから、ウサギは多の種に比べて陰茎勃起に関わる脊髄運動ニューロンの分布が独特のパターンを持つことから、陰茎勃起の運動調節の研究に関するよいモデルであると考えられる。
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