2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09F09004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大谷 雅夫 Kyoto University, 文学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Kunpeng 京都大学, 文学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 和漢聯句 / 漢和聯句 / 連歌 / 五山文学 / 和漢比較文学 / 中世 / 近世初期 |
Research Abstract |
『室町後期和漢聯句作品集成』は京都大学国文学研究室と中国文学研究室を中心に取り組んでいる和漢聯句資料の翻刻整備活動の一環として、天文から永正年間までの和漢・漢和聯句六十五点(うち千句三点)を翻刻したものである。楊氏は本書のうち千句二点を分担執筆し、また編集部の一員として全書の校正編集に関わった。「京都大学平松文庫蔵『和漢々和』翻刻と解題」(上・下)は、京都大学附属図書館平松文庫所蔵写本『和漢々和』に所収する和漢聯句作品十三点の翻刻し、解説を付したものである。和漢聯句作品の翻刻紹介は上記『作品集成』で室町後期まで行われているが、本「翻刻と解題」はそれを受けて近世前期にかけての作品を取り上げ、公開紹介を推し進めている。解題において作品ごとの考察を行い、それを踏まえて室町末期から近世前期にかけて和漢聯句の創作や享受の全体像を描き出している。発展期から最盛期に差しかかる和漢聯句の実態を知る上で必要な史実を発掘し整理した。論文「和漢聯句における瀟湘八景の受容」は、絵画と詩歌の題材として中国から中世日本に移入し流行した瀟湘八景を、文学形式としてほぼ同時期に発生し盛行した和漢聯句において考察した。八景を題材とする和漢聯句について、付合における新しい要素と従来の連歌寄合との関係を探った。また比較文学の視点から和漢聯句の研徴を提示し、それらを通して題材の面で連歌俳諧文学史における和漢聯句の位置付けも試みた。
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