2009 Fiscal Year Annual Research Report
台湾と韓国における日本語の維持に関する社会言語学的研究
Project/Area Number |
09F09005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
生越 直樹 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
簡 月真 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 言語接触 / 台湾 / 韓国 / 高年層の日本語 / ピジン・クレオール |
Research Abstract |
台湾と韓国における高年層の日本語,及び日本語がかかわっているピジン・クレオールに関する文献調査及び現地調査を行い,分析を行った。 分析については,まず,台湾や韓国をはじめとした東アジアの日本語教育制度及び日本語の使用状況を対照して考察を行った。次に,収集できたグアム,中国の延辺,サハリンのコリアン高年層等の談話データを用いて,台湾高年層の日本語との比較対照を行っている。その研究成果として,これまで,接続詞を含む談話展開の方法について,台湾高年層を中心に,コリアン高年層との対照比較を行い,招待講義や研究会で発表した。60年以上も前に習得した第二言語がどのように維持されているのかに関する追究は貴重な研究で,話者の高齢化が進み,その調査は急がなければならない。 また,Yokohama Dialect, Korean Bamboo Englishをめぐる文献,および台湾Yilan Creoleの音声データを集め,日本語がそれぞれ韓国と台湾で関わっているピジンとクレオールの実体を明らかにしようとしている。その研究成果の一部は国立国語研究所のプロジェクトでの研究会で発表した。 Korean Bamboo EnglishとYilan Creoleをもたらした社会的背景の解明とともに,それぞれの言語構造の究明は,日本語史にとって,また,接触言語学及び社会言語学研究の発展にとっても大きく寄与できるものである。
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Research Products
(5 results)