2010 Fiscal Year Annual Research Report
台湾と韓国における日本語の維持に関する社会言語学的研究
Project/Area Number |
09F09005
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
生越 直樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHIEN Yuehchen 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 言語接触 / 言語変化 / 日本語 / 台湾:韓国 / ピジン・クレオール |
Research Abstract |
本研究では、接触言語学の観点から、台湾と韓国に残っている日本語を対象とし、それぞれを取り巻く社会的な環境を明らかにしたうえで、その言語内的構造の相違を論じることを目的としている。 今年度は、特に日本語がかかわっているピジンとクレオールとして、台湾のYilan Creoleと韓国のKorean Bamboo Englishに焦点をあてて調査研究を行なった。分析については、まず、文献調査などの結果に基づき、台湾のYilan Creoleと韓国のKorean Bamboo Englishのそれぞれが形成された歴史・社会的環境を明らかにした。次に、台湾Yilan Creoleの音声データ、および、Korean Bamboo Englishをめぐる文献データを収集し、Yilan CreoleとKorean Bamboo Englishの実体を明らかにすることを試みた。具体的には、Yilan Creoleの基礎語彙と否定辞の体系、およびKorean Bamboo Englishの語彙について記述をした。その成果の一部は、学会や講演会で発表し、また、内外の学術雑誌に投稿した。 日本語が海を渡って台湾と韓国それぞれの地でどのような変化を遂げてきたのかを追究することは、言語学の観点からだけでなく、当該地域で生活を営んできた人々の歴史や文化の記録という意味でも重要かつ緊急の課題と考えている。
|
Research Products
(8 results)